目覚めの1曲

目覚めの1曲:Recede Bossa / Hank Mobley

ポイント

Spotyfyでご試聴ください。まだSpotifyをご利用でない場合は下記リンクから無料版のインストールをご利用ください。

お使いのプラットフォームに無料ダウンロード - Spotify

登録が済んだ後は右上のSpotifyのマークをクリックすると1曲そのまま視聴できます。

能ある鷹は爪を隠す・・・ジョン・コルトレーンほどバリバリ鋭くもなけれスタン・ゲッツのように丸くもない音色を指して、「テナー・サクソフォーンのミドル級チャンピオン」って評論家に言われたこともありました。ちょっと聴くと柔くもなくきつくもなく、中堅どこって感じがするのですが、実はかなりの技術派で、アドリブもかなり面白いし、私たちのような素人がテナーを勉強する場合、最大の手本ともなります。癖がないのに癖になる実に歌心満載のソロをするんですね。そしてその完成度は完璧で何度も繰り返し聴いていると、どんどん味わいが深まってくるわけです。

Recede Bossaは私もよくコピーをして練習するのですが、彼はアドリブをするときに1つ癖があることに気がつきます。それは陸上競技で言えば”走り幅跳び”をやるわけです。少し技術的ですが、気合が入っていると、アドリブに入る前にコードのスケールを吹いて助走をつけ、いざアドリブとなるとバーンと踏み切るようにアドリブの中心となる音を伸ばし、そしていろんな音に飛ぶわけです。ロリンズのようにコードを分散してソロに入ることはせず、ゆっくりとした曲の流れ、メロディーの流れにサックスを置いていく、言い方を変えるとバンドの演奏をよく聴いて自分のアドリブを作っていく協調性が高い奏者なんだと思います。そうそう、この曲のようにアプローチノートを綺麗に使う奏法はとても美しいです。

スケールを軸にする奏法は、マイルスがのちにモード奏法で確立するわけですが、従来のジャズがコード中心に音の高低を軸に演奏したわけですが、モブレーのように流れるようなスケールを中心とした演奏は、実は時代を先取りしていたんじゃないかと私は思います。ともかくも協調性が高いソロをやりますので、他の奏者からもサイドマンとしてとても好かれていたようです。『ソウル・ステーション』と『ロール・コール』『アナザー・ワークアウト』・・いいアルバム沢山ありますね。

目立たないけどみんなが信頼を寄せるサックス奏者。いいじゃないですか・・・最高の男っす!

本日は昭和の日、祭日ですね。和物をバリバリ聴いてワープしましょうよ!

-目覚めの1曲
-