ジャズ界で最も巨大な彗星だったジョン・コルトレーン。彼はジャズの流れを変えた1人ですし、彼のスタイルの変貌はジャズそのものの変貌でありました。モンクから教えを受けていた時期、マイルスとモード奏法を極めた時期、自分のカルテットでジャズの表現を極めた時期、宇宙に飛び、神に近づいた時期・・・常に変化・変化だった人ですね。驚くのは2週間経った演奏がまるで別人のように変わっていたし、神がかりな演奏は評論家さえ震え上がらせたほどでした。
いつか彼についてゆっくりと語りたいですが、まずは彼の若き頃の最初のスタイル「シーツ・オブ・サウンド」の演奏を聴いてください。音を敷き詰めたような怒ったような長いソロ演奏。そしてコルトレーン・チェンジと言われる彼独特のコード進行方法・・これにはバックのピアノさんは困りまくって、このアルバムの最初のトラックでは途中で演奏を止めてしまうシーンもあるほどです。
演奏が早いというのもあるのですが、このコード進行が尋常ではないのです。サックスの音1音ごとにコードが変化する演奏。普通、こうした無謀とも言える演奏をするとめちゃくちゃな演奏になりそうですよね。ところがどうでしょう。流れるように美しくないでしょうか?これは、従来のジャズが長4度の進行がメインだったのを長3度にして演奏しているんです。要するに常識からの脱皮ですね。Giant Steps・・・まさにジャズに一石を投じた演奏だったのです。
まあこの後も止まることなく変化していくわけですが、彼は練習の鬼だったそうです。ライブを2時間汗だくで演奏し終わった楽屋ですぐにフルートの練習を始めるくらいで、起きてる時はほぼ練習だったそうです。すごいですねーー!
そうそう、現代を代表するサウンドクリエーター、フライング・ロータスことスティーヴン・エリソンは彼の甥なんだそうです。
常識に囚われてはいけません。何かを思い切って変える・・・大きな波はここから起こるのです。
通勤・通学いってらっしゃーい!