映画『BLUE GIANT』はもうご覧になりましたか?
原作のコミックは大のお気に入りでこの映画化を待ちに待っていたわけですが、正直なところここまで感動すると思いませんでした。
ジャズに魅了されてテナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大がひたすらサックスを練習し、同級生とトリオを組んで世界に羽ばたくストーリーなのですが、このコミック、現在では3シーズン目に突入しています。『BLUE GIANT』『BLUE GIANT EXPLORER』『BLUE GIANT SUPREME』とストーリーは続くわけですが、今回は1シーズン目の『BLUE GIANT』が映画化されています。
歌のないジャズ演奏を主題にしたこの映画、原作者の石塚さんは映画化にこだわったそうです。普通、人気コミックをTV化してヒットしたら映画化と言う流れなのですが、石塚さんはジャズの圧倒的な演奏は映画の大スクリーン、そして大音量、まさに主人公の大にこだわったのでした。そして結果は大正解!こんなに感動する音楽コミック映画を何に比較できるのでしょうか?
ジャズに魅せられ、サックスに魅せられ、そして苦節を重ねてバンドを作り、羽ばたいていく。そのストーリー展開自体は決して珍しいものではありませんが、進展に伴う様々なエピソード、そして演奏自体が徐々に完成されていく展開があって、そして圧倒的なジャズ演奏へと繋がっていく。そしてこの様々な苦節を経験した過程を、熱いジャズの演奏が一気に全てを語ってしまうのです。
ジャズはとっつきにくい音楽、難解な音楽、古い音楽、そんな一般的な固定概念を”熱い演奏”でひっくり返してしまうのです。映画でジャズを初めて聞いた方も多いかと思うのですが、こんなにも”物言う音楽”とは思わなかったのではないでしょうか?だからこそ感動するわけですね。ジャズってすごいじゃん!そう感じた方がいればこの映画は大成功だと思います。
この映画ではモーションキャプチャと言う技法を使って、実際のジャズ演奏をアニメーション化したもので、しかも演奏するメンバーはオーディションされたメンバー+上原ひろみ・・・つまりホンモノの演奏なのです。特別映像をご覧+お聞きいただければこの映画の真髄がご理解いただけれと思います。演奏とアニメーションの動きがビッタシですよね。ここが付け足しの演奏だったり、ずれまくりのアニメーションではこれほどの感動はないかと思うのです。
ストーリーをお話しするわけにはいきませんが、音楽が好きなのであれば騙されたと思って映画館に行きましょう!きっと素晴らしい体験があなたを待っています!
ジャズは熱いぜ!